初期費用の額には壁が存在する!?

:竹村さん。政策金融公庫について何回もお送りしてきましたが、少し思うところがあるので、質問してもかまいませんか?

今は自己資金が100~200万円でも800~900万円も借りることができます。ただ、武田塾は1000万円ほどで可能ですが、1500~2000万円のフランチャイズもあります。例えば、ミハラ社長のコインランドリーは2000万円だったでしょうか?
竹村:1500~2000万円です。

:あともう一つ、我々がやっている超高収益なフランチャイズがありますが、あちらは1500万円ぐらいです。どう考えても1500万円のほうが収益性は高いのですが、加盟するペースを見ると圧倒的に1000万円のほうが速い。やはり1000万円と1500万円以上の壁が存在する気がしますが、そのあたり竹村さんはどう思いますか?

竹村:その壁は以前からあります。

武田塾の急速な成長の要因は?

竹村:以前は1000万円で立ち上げられるビジネス自体が少なかったのですが、近年は増加傾向にあります。そしてやはり、1000万円と1500~2000万円の差というのは、すごく大きいです。現在我々が相談に乗っている、これからフランチャイズ本部をやろうなんていう方にも、1000万円以下のパッケージにしたら、反響も、クロージング率も違うという話をしています。

:正にそうです。武田塾がこんなに急に増えたのは1000万円以内だからだと思います。もし、これが1500~2000万円だったらどうでした?

もしかしたら、五分の一ぐらいだったのではないかと思えてきませんか?自分のビジネスを広めていきたいという本部の方の相談に最近よく乗っていますが、一つの目安として、1000万円以内で、運転資金込みで黒字化するモデルに組み替えるというのも選択肢の一つでしょうか?

:竹村さんが以前から取り組んでいても、そういう状況なのですか?ですが「牛角」などは何千万円もかかるというのに、一般的に認知されるまで拡大しました。

竹村:「牛角」や飲食全般は基本的に高額です。ですが、それは企業が取り組んだからです。企業の新規事業と脱サラの起業では、目的が違います。脱サラの起業の場合、政策金融公庫から借りたお金を返済して、いつマイナスにならなくなるか。初期投資を1000万円以下にして、単月黒字にすることが理想です。企業の場合、金額よりも投資回収を見据えていく。「コメダ珈琲」の例でそのような話をしましたが、利益が大きければそれでいいのです。一年半で回収しなくとも、三~五年で確実なら利益を取ります。

:では「牛角」や飲食全般が高額でも拡大できたのは、法人のメガフランチャイジーであるとか、利益を優先する法人が主に取り組んだからです。ですが、普通の店舗型のビジネス。例えば武田塾は二~三年で100校舎ぐらいになりましたが、それは1000万円以内のパッケージで、個人の方にとって魅力的だったから、という理由なのです。長くお話してきましたが、政策金融公庫についてご不明な点があれば、遠慮なくご相談下さい。