飛ぶ鳥を落とす勢いの「いきなり!ステーキ」! ただ・・・。
林:竹村さん。「いきなり!ステーキ」ブームの続きをお願いします。
竹村:一番の要因はやはり低糖質ダイエットブームにあります。炭水化物を抜いて肉のみを食べる方が増えました。懸念点としては、すぐに真似をされてしまうことです。もともと「いきなり!ステーキ」は、「ブックオフ」の創業者の坂本孝さんの「俺のイタリアン」、「俺のフレンチ」を立ち食いにしたらという発想から生まれた業態で、サービスの内容としては簡単に模倣できます。
結局は「かつや」のように仕入れ値をいかに安くするかというシンプルな戦略です。それを案じてか、「いきなり!ステーキ」は量り売りで値段を設定するスタイルを特許にしていました。当然その特許は取消になり、「ステーキのあさくま」がすぐに模倣し出しました。もしこのブームが続くようであれば「ステーキのけん」、「ステーキガスト」のような、ステーキ系の類似店が増えていくと思います。
また、経営面にも疑問があります。確かに「幸楽苑」の不振店が「いきなり!ステーキ」に鞍替えして立て直したという記事を見たことはあります。ただ、僕の知り合いの外食の社長は損益計算書に興味を持っていました。ステーキを提供するのにはそれなりの設備が必要ですし、原価もとても高いはずです。ドリンク類をたくさん飲んでくれれば別ですが、見たところそうでもありません。株価は一時急上昇しましたが、現在は落ち着いてきています。「いきなり!ステーキ」の真の価値はブームが去ったあとに明らかになるでしょう。