流行に乗れば儲かる!?
林:前回、流行のフランチャイズを教えてもらって、そのフランチャイズに加盟すれば儲かるという単純な問題ではないというお話がありました。
竹村:間違ってはいませんが危険な考えです。例えば「十円饅頭」「白いたい焼き」「肉巻きおにぎり」などは一時期大変流行りました。
林:ちなみに「肉巻きおにぎりブーム」というのはいつ頃のお話ですか?
竹村:東国原さんが宮崎で知事をされていたときです。目新しく低コストだったので大変流行りました。
林:結果はどうだったのでしょうか?
竹村:起業が比較的安価であったことと、メディアの影響力が重なり、必然的に着手し始める方も多くいましたが、店舗準備に費やしている3~4ヶ月の間にブームは去りました。
林:そして、初期投資が安いとはいえ、飲食店ですので300~400万円の損失になったはずです。「十円饅頭」の場合も本部、店舗共に乱立しましたが結果は同じでした。
林:しかし、ブームに便乗できていたとしたら、費用を回収できたのではありませんか?
竹村:現に回収できた方もいます。僕の友人の社長さん方は、引き際を見極めながら投資と回収を効率よく行っていきます。大方の発想はそれとは違います。流行は起業者全員の味方である、と考えています。流行はいずれ衰退するという発想がないのです。
林:竹村さんが総合的に考えた上で、一時的な流行ではないと見込んでいる事業はどこでしょうか?
安定感のあるフランチャイズは?
竹村:実際、そのような質問には即答しづらいです。予兆と現在の動向ぐらいは教えられますが、安定までは保証できないからです。そもそも急激な経済効果こそ、安定していないというなによりの証拠です。
林:利点だけを見て行動してしまう方は起業しないほうが身のためであるということですか?
竹村:質問以前に発想自体が違うのですが、利点にとらわれてしまう方は多いです。一方、安定しているフランチャイズは簡単に挙げられます。例えば「びっくりドンキー」ですが、一億円と非常に高額です。
林:投資額が少額で、さらに安定していたら、皆さんが着手し出して利益率が低下していく。投資額が高額で、起業が容易ではない事業は、競合が少なくて安定しているということですね?
竹村:投資額が少額で絶対的に安定しているなんてありえません。
林:今回は以上です。