ブラックではないのに撤退が続く「ブックオフ」
林:竹村さん。「ブックオフ」のフランチャイズはいかがでしょうか?
竹村:前回で何故社名を公表したかというと、「びっくりドンキー」は減らないけども、「ブックオフ」は少しずつ減ってきているからです。
林:どの程度撤退しているのでしょうか?
竹村:先ほど調べてみたら、加盟数より撤退数のほうが上回っていました。新規の出店は年間十店舗程度です。ということは、それよりも減っているわけです。
林:加盟しても大丈夫なのでしょうか?
竹村:「ブックオフ」は、ブラック問題の回でご説明をした、実態がブラックというケースではありません。長い目で見ると、開業当初より落ち目になってきているというケースです。そうすると契約期間が終了したときに、オーナーは撤退していきます。ただ「ブックオフ」がこんなに撤退しているとは、先ほどを資料を見るまでは知りませんでした。
林:新規で開業したら、実態が違ったという本部ではないということ。
竹村:「ブックオフ」は一時期急成長していました。今は「ブックオフ」が業態転換をしている時期です。本だけではなくて携帯、スマホ、ゲームに対応できるようにシフトしていく中で、利益構造が変わってきたということです。その新しい潮流に乗り切れていないのか、落ち目になっています。やはり、フランチャイズにも旬というのがあります。地域での役目も終わり、潮時を感じている店舗があるのではないでしょうか。それにしても、こんなに撤退しているなんて意外でした。
フランチャイズの”旬”
林:では、単純にフランチャイズ協会などのホームページを参考にしたらよいのでしょうか?
竹村:JFA、つまり社団法人日本フランチャイズ協会というところのホームページで、各フランチャイズの純増と純減を誰でも閲覧できるようになっています。今年いくつ増えて、いくつ減ったか。中途解約と満期での解約の総数です。ホームページによると「ブックオフ」は増える数よりも減る数のほうが多く、毎年少しずつ減っています。これは誰でも閲覧可能なので参考にしてみてください。
林:ですが、そのホームページを見ても、純増と純減だけでは判断が難しいように思います。
竹村:中途か満期かはわかりません。
流行っているフランチャイズこそ危険!
林:では逆に、今ノリに乗っていて、加盟するのにオススメのフランチャイズはありますか?
竹村:実はその発想は大変危険です。
林:単純に考えてはよくないということでしょうか?
竹村:正にその単純な考え方こそ危険です。今が旬の、流行っているフランチャイズ。まず、そこに着目すること自体、よくありません。
林:流行によって魅力的に映っているだけであって、沈静化したら泥舟になる可能性もあるということでしょうか?
竹村:格好の例はいくらでもあります。「十円饅頭」「白いたい焼き」「肉巻きおにぎり」。これらは商品名であって、社名は公表しませんが、これらのフランチャイズは例外なく流行り、例外なく本部共々消滅しました。
林:では次回は、流行っているフランチャイズの危険性について、詳しく教えてください。