フランチャイズ広告は全てを信じてはいけない?

:フランチャイズ広告を見る時の注意点を教えてください。

竹村:これまでお話ししてきた通り、FCの広告とはとても全てを信じられるものとはいえません。作る方が良いところを見せようとして、嘘ではないにしても全体から良い部分だけを選んで見せるような広告を作っているのが事実です。作る側の「同業他社に負けたくない」という気持ちがそうさせるのです。そのことをまず理解することが絶対的に必要です。広告で使う表現の中には、事実でなければ書けないものもあります。「5年間やっていて撤退ゼロ」という表現がその一例です。

:それはさすがに嘘では書けませんね。

竹村:はい。そのように書いていて、説明会や個別面談で「実はあの一文は広告として書いたもので、入ってみたら結構やめています」とはさすがに言えないので、逆にいえばそのような表現があれば信用できるといえます。武田塾の前に手伝っていたヒーローズは、「現在100校舎、撤退ゼロ」のような絶対的に強い表現が書けるフランチャイズだったので、広告に使わせてもらっていました。他にも「5年間契約した人の契約更新率が90パーセント」といった表現も、嘘がつけませんからそう聞くと何となく信用できますよね。

:年収や売上、粗利などは簡単に書けますね。

竹村:「年収いくらの人が続出」という、その続出とは実際どうなのかという問題もあります。

:「続出」だから2人いなければ書けないはずなのに、1人でも絶対書いていますよね。

フランチャイズ広告を見る時の2つのチェックポイント!

竹村:「この1か月こうだった」というようなことを言えてしまうので、そういうのは駄目ですが、継続率や、撤退がゼロといったことはやはり嘘が書きづらいから、まず一つはその部分をチェックしてほしいと思います。

:そうですね。

竹村:もう一つは、個人ではなかなか難しいところがありますが、やはり時系列で見るということです。1年前や2年前の広告を見せてもらうのが本当は一番いいのです。加盟店が全然増えていなかったり、言っていることが全く違っていたり、むしろ悪くなっていたりいうことがわかります。3年前、2年前、1年前と広告を見ていくとある程度わかるので、僕は一番そこを見ますが、個人で見る場合にはなかなかできないのも確かです。

:3年間ずっと「全国100校舎!」と言っているかもしれませんね。

竹村:そうです。3年間加盟校数が変わらずに、「どんどん加盟が増えています」と謳っていたら、どんどんやめているということですよね。社長のインタビューの内容が全然変わってしまっているところもあります。そういうのを時系列で見ていくことが必要です。FCの募集広告は、そのまま信じてはいけません。広告だということを十分認識して、その広告に騙されないということを意識して見るべきです。

:話せば話すほど、正しいフランチャイズ広告の媒体を作りたいと思いますね。

竹村:そうですね。