新規加盟数の撤退率が鍵
林:竹村さん。ブラックの続きです。では、仮に全国に200店舗もあるフランチャイズがあったとして、契約数、店舗の増加数、解約数が同数だったらあまりよろしくないのですか?
竹村:よろしくないです。
林:ですが、多少の撤退はつきものじゃないですか?どのくらいの割合、どのくらい成長していたら安心できますか?業種によっても違うとは思いますが。
竹村:業種によっても違いますが、新規の20%が辞めていたら疑ってかかったほうがよいです。十軒増えていて一軒しか辞めていないというのであれば、まずまずの調子と見ます。少し厳しめだと思いますか?
ですが、安い買い物とはわけが違います。その程度の基準は持ちたいところです。200校舎のフランチャイズで、20軒中10軒が辞めているといったら、僕はかなりブラックに近いと思っています。
林:確かに、新規の50%が辞めていることになります。ですが、既存の校舎が200校舎あるとして、その範囲内で辞めているのなら大丈夫といえるのでしょうか?
竹村:前回で創業年月や歴史に注意とご説明しましたが、更新時に辞めるのと中途で解約するのでは全然話が違います。
林:ということは、新規の20%が辞めるのと、10%が辞めるのとでは雲泥の差があるということ。継続確率90%なら検討しても悪くはないということでしょうか?
竹村:経営レベルや、飲食の場合だったら立地で失敗することもあります。その程度の基準が妥当かと思います。
林:竹村さんが手伝っていた「ヒーローズ」ではどうでしたか?
竹村:150校舎程度まで撤退はありませんでした。撤退しないということにこだわったからです。といっても。僕からしたら塾で撤退するというほうがおかしい話です。何故なら、10~15万円の家賃で経営していたとしても、自分が教室長を担当しているわけですから、すぐ撤退してしまうなんて話には絶対にならないはずなのです。ですが、150校一切撤退なしというのはその謳い文句だけで武器になります。
撤退のないフランチャイズとは?
林:では、「ヒーローズ」以外で撤退がないフランチャイズにはどういったものがありますか?他の業種でも構いません。
竹村:撤退がないフランチャイズで素晴らしいと思ったのは、最後に僕が勤めていた「トータルサービス」です。加盟者が満を持して更新していくので、継続確率は90%に近い数字でした。
林:車の修理方法を習い、個人で独立するタイプの無店舗型フランチャイズですね?
竹村:手先を使うので研修のときに辞めてしまう方もいますが、開業すればほぼ続けます。五~七年毎の更新もしていきます。やはり、満足しているから撤退しない。満足がいくということは、よいフランチャイズだということです。
林:あと一つ、なにか撤退のないフランチャイズはありませんか?
竹村:規模は違いますが、確実に撤退がなく、拡大していくフランチャイズとして、いつも感心して見ているのは「びっくりドンキー」です。
林:視聴者の皆さんの中には「びっくりドンキー」がフランチャイズであるとご存じない方もいらっしゃるのでは?
竹村:フランチャイズということをご存じない方もいらっしゃるとは思いますが、きちんと加盟だってできます。
林:次回、「びっくりドンキー」について、詳しく教えてください。