フランチャイズにおける”ブラック”って?

:竹村さん。今日の相談は「フランチャイズのブラックなところを教えてください」というものです。

竹村:社会現象としてブラック問題が取り沙汰されるようになり、僕のところにもブラックという言葉の入った問い合わせがよく来るようになりました。

:加盟前の情報との相違、実際の利益率の差異などでしょうか?

竹村:一番多いのは、ブラックと思しきフランチャイズは?というものです。加盟の検討中に違和感を感じてご相談をしてくるケースと、特定の企業に対しての憶測の答え合わせのようなケースです。主にこの二つ、加盟時の不安と労働・雇用リテラシーの問題です。フランチャイズなので、雇用の仕方というのは的外れな感じもありますが、とにかくブラックという言葉が用いられます。

:手っ取り早く、教えてしまえばいいのではないのでしょうか?

竹村:その要望は非常に多いのですが、基本的にはしていません。多様な世の中なので、真っ黒なフランチャイズというのも確かに存在しますが、所詮は大海の一滴に過ぎません。

ブラックの定義

竹村:まず、ブラックの定義というものについてですが、これは恐らく誰がやっても失敗するというものです。これは完全にブラックでしょう。

:全員が失敗しているにも関わらず、加盟を勧めている。

竹村:もう一つは最初から騙すつもりのものです。これはれっきとした犯罪なので、僕は公表してもいいと思っていますが、すでに全滅しています。

:加盟者を集めて金銭を騙し取ったあとに、雲隠れをするということですか?

竹村:元からそれが狙いです。詐取を生業としている三~四人はすでに発覚しています。会社を潰して、捕まる場合は捕まります。次は名前を変えたり、別の方を代表にたてては再犯していきます。これは完全に悪質なブラックのフランチャイズです。最初から加盟を集めて潰してしまえばいいというものです。これはもう詐欺です。

竹村:ただ、これは本当に僅かで、ましてや雰囲気でわかります。ぼったくりのキャバクラと似ていて、瞬間的に違和感を感じます。すぐに加盟金、サインの催促をしてきますので。

悪気のないブラックに気をつけろ!

竹村:なので、最初から詐欺をやっているようなフランチャイズというのは基本的にすぐわかります。勿論、今はありませんので安心してください。一番気をつけないといけないのは、最初から詐欺なんてものは念頭になく、一生懸命フランチャイズを大きくしようとして募集を開始したにも関わらず、三年後くらいにブラック認定されてしまうところです。誰がやっても上手くいかないようになってしまうブラックはあります。グレーからブラックになってしまい、限りなくブラックに近いグレーのようなフランチャイズは実は結構存在します。悪気はなく、詐欺をするつもりなんて全くないのです。

:大半が頓挫しているのに加盟募集しているということでしょうか?その場合、加盟説明会ではまったく違う事実をつくり上げていたりするのでしょうか?

竹村:特にその傾向が強いです。

:ブラックランキング第一位を詐欺師たちとしましょう。ですが、これは本当に数社だけなので、公表しなくても騙されることはまずない。第二位が、一生懸命やった結果、大半が頓挫してしまい結局本部も立ち行かなくなって、再び加盟を集めようとしているフランチャイズ。

竹村:第二位はパーセンテージとして多いフランチャイズです。

:何%でしょうか?

竹村:30~40%程度です。フランチャイズをネガティブに捉えているコンサルタントから見ると、70~80%程度ともいわれています。僕はそこまではないとは思っていますが、それでも三割近くは存在していると思います。

このお話は、これからフランチャイズに加盟しようとする方にとって、非常に重要な判断材料になります。是非とも理解していただきたいと思います。何故、限りないブラックに零落してしまうのかを次回でご説明します。