開業資金一億円の割り振り

:竹村さん。前回、「コメダ珈琲」は総額一億円という話でしたが、加盟金、保証金を除いた9000万円以上はどこに充てられているのでしょうか?

竹村:駐車場の土地の貸借費用に割かれています。また、「コメダ珈琲」は本部の指示通りに店舗を構える必要があり、居抜きは許されていません。飲食というのは、仕様の統一を徹底していくと費用がかさみます。「牛角」のロードサイドも6000~8000万円程度が相場でした。

:何故、喫茶店のほうが高額なのでしょうか?

竹村:詳しい理由はわかりません。ただ、高額な初期投資というのは、マイナス面だけではありません。一億円もかけて立派な店舗を建てると参入障壁をいうものができます。いわゆる、容易に真似できないというよさに繋がります。

「コメダ珈琲」のような広い駐車場は、元々特殊だったわけです。一つのテーブルにつき、自動車二~三台という計算になっています。地方だとそういうことが起きてきます。

広い駐車場はローカルならではのノウハウ!

竹村:交通手段が豊富な首都圏から見たら変ですが、あの広い駐車場というのはローカルならではのノウハウだったのです。

:では、一億円自体がビジネスの強みとなっているということでしょうか?

竹村:半額の5000万円では「コメダ珈琲」の長所がなくなってしまいます。一億円の「コメダ珈琲」だからこそ愛されているのです。

:フランチャイズというのは独自の実験に基づいたデータベースがあり、「コメダ珈琲」の場合、本部の指示通りに店舗を構えることがビジネスモデルであり、収益の源にもなっている。

流行過ぎて真似をされる!

竹村:「コメダ珈琲」はあまりにも流行り過ぎて、「DOUTOR」さんの「星乃珈琲店」「丸亀製麺」「すかいらーく」などに真似をされています。なので、これから先は目に見えないノウハウ、駐車場、メニュー、外観、内装以外での勝負になってくると思います。

:参考になりました。今回もありがとうございました。