テリトリー・ノンテリトリーについて
林:竹村さん。前回、「東進衛星予備校」のお話の中でテリトリーというのに触れましたが、フランチャイズにおいてテリトリーは大事だと思います。詳しく教えてください。
竹村:テリトリーは一番大事です。フランチャイズというのは加盟者側からすると、ある地域で同一の商売を行う権利を購入するというイメージ、反対に本部側は、権利を売るようなイメージです。ですが、世の中にはノンテリトリーというフランチャイズもあるのです。代表的なのはコンビニで、人気店の30m先に直営が建ってしまうこともあります。「東進衛星予備校」も同じで、基本的には市内で複数の「東進」を競わせて、新しい市場をつくっていくという考え方なのです。
林:一般的に考えると、人気店に足枷をはめる形になるので非効率に見えます。
「ダスキン」はノンテリトリー
竹村:ところが、そう簡単な話ではありません。皆さんご存知の「ダスキン」という会社はノンテリトリー制です。人気のある「ダスキン」は遠出もできます。例えば、「ダスキン」立川店に力があった場合、「ダスキン」八王子店のエリアまで攻めていくようなこともあり得ます。そうなると競争になり、営業力が強いほうが勝つわけです。その理不尽さに目をつけたのが「サニクリーン」です。「ダスキン」と同じような業態ですが、「サニクリーン」はテリトリー制にしました。
竹村:加盟店としてはうれしい。なにせ、テリトリーが保証されているからです。ですが、実際に成功したのは「ダスキン」です。
「サニクリーン」の敗因
竹村:「サニクリーン」の敗因はなんだと思いますか?
林:テリトリーが保証されているので、怠けてしまうということでしょうか?
竹村:怠けてしまいます。業績が芳しくなくとも、他に汚点を探してしまえる状況でもあります。ところが、「ダスキン」には泣き言を言っている暇もありません。常に危機感があるからです。
林:テリトリーはとても重要だと思うので、次回も引き続き教えてください。