ラーメンは立地、引き継ぎ店舗に気を付けて!
林:竹村さん。ラーメンのフランチャイズの続きを教えてください。
竹村:前回、現代のラーメンのフランチャイズは「どさん子ラーメン」の時代と違い、技術革新が進んでいるため味のばらつきもなく、本部としては運営しやすくなっているとご説明しました。ただ、ラーメンのフランチャイズはオススメかと言われると難しいところです。「らあめん花月嵐」の繁盛している店舗はどのような店舗かというと、周りにラーメン屋がない店舗になっています。このように基本的にラーメン屋は、よほどの名店でない限り一等地で開業しなければ成功しません。
ラーメン業界ではお約束ですが、家賃80万円と家賃150万円であれば、高いほうが有利です。家賃が1.5倍でも売り上げが2~3倍あればいいのです。なので、素人には手を出しづらい商売ともいえます。ほかの飲食店と比べると原価を低くすることも可能ですが、家賃が難点になってきます。「天下一品」も歌舞伎町のど真ん中にありますが、もし通りを1本隔てた向こう側にあったとしたら苦戦すると思います。味の差別化ができていて、家賃が低くても通用するフランチャイズがあれば別ですが、そのようなフランチャイズはありません。裏を返せば、結局は立地商売なのでフランチャイズに加盟しなくとも個人で開業できるということです。実際に居抜きでラーメン屋を始める方も少なくありません。
これは「花月嵐」の「アントレnet」の情報ですが、ビジネスモデルは20坪で駅前店、月商400万円、営業利益80万円、オ-ナー収入が80万円×12ヶ月、約960万円の収入となっています。ただ、これは「花月嵐」に対しての反論ではないですが、既存店の引き継ぎには危険が伴います。ラーメン屋は開業時、非常に繁盛します。飲食にはオープン景気という繁盛期があり、周囲に認知されるにしたがって落ち着いていきますが、とりわけラーメン屋はその波が激しい傾向にあります。また、人気が出てきたと思ったら近隣に店舗ができてしまう可能性もあります。既存店の引き継ぎにはこういった危険が孕んでいるため注意が必要です。