個人フランチャイズと法人フランチャイズの違い

:竹村さん。「トータルサービス」について、続きをお願いします。

竹村:僕は1年半程度「トータルサービス」で働きました。個人の独立フランチャイズ、脱サラのフランチャイズに関してのノウハウはほぼ「トータルサービス」で学んだと言っても過言ではありません。

:どんなことを学んだのでしょうか?

竹村:法人とは全然違うということ。なにが違うかというと、お金がないということです。今ほど政策金融公庫からは調達できないので、なけなしの300~500万円を加盟金、開業資金に充てるわけです。なので、尻に火がついている状態が続きます。その悲壮感というのは感じました。

3~4ヶ月売り上げが伸びなかったら、家計が成り立たない。その中で成功させなければいけない。後がない。なので、誰しも一生懸命に危機感を持って取り組むだろうと思っていました。ところが、そうでもない。営業力が弱いのです。

:車の修理ということは、中古車屋さんなどへ営業に出向くということでしょうか?

営業はいらない?

竹村:はい。中古車屋さんの車の内装、タイヤのホイールの傷を修理しに行きます。非常に地味な仕事なので、成功の予兆もありそうにないのですが、そこで山口社長の編み出したノウハウが機能します。営業しなくてもいいのです。一度関係を持ったら、あとは中古車屋さんのほうからオファーがかかるようになっています。新規の営業をし続ける必要がないのです。

竹村:中古車屋さんが仕入れた車の中には、修理したほうが高く売れるものが含まれています。そうなったら電話一本で「トータルサービス」の出番です。

:営業力のない個人に新規の取引先を回り続けるのは酷だということでしょうか?

営業能力がないことを前提にしたフランチャイズ!

竹村:反対に、営業力があっても大企業は絶対に参入しません。利益率が低いからです。これは山口社長が個人を成功させるために考えたフランチャイズなのです。中古車は無尽蔵にありますから、営業力がない人でも続きます。研修も、そもそも営業能力がないことを前提として組み立てられています。

:前提として、営業力を捨てている。

竹村:僕は研修の担当もしていたのですが、営業の粗を改善しようとすると山口社長に釘を刺されました。

:元営業マンと加盟してくる方では差があるということですね。

竹村:「トータルサービス」は赤点の方でも60点を取れるようなフランチャイズです。営業に向いていない方でも続けられるように考えられたものなのです。

次回も「トータルサービス」について、もう少しお話します。