過去に失敗したフランチャイズとそこから得た教訓とは?
林:竹村さん、今日の質問は「竹村さんが関わったもので失敗したフランチャイズはありますか?」ということですが。
竹村:それはたくさんありますよ。
林:竹村さんが関わっても失敗してしまうことがあるのですね。
竹村:はい、あります。今までプロフィールには「30を超えるFCに関わってきた」と書いてきましたが、この間正確に数えたら47、8ほどありました。その中には勿論、失敗といっても色々あるわけですが、今後仕事をしていく上で活かさなくてはならない大失敗というものがやはりいくつかあったのです。そのうちの一つは僕の考え方が間違っていたことによる失敗で、もう一つは、僕は最初から完全におかしいと思っていながら、会社の力で進んでしまったことによる失敗です。ここでは僕自身の考え方が違っていた為に失敗したFCについてお話ししましょう。
林:つまり、竹村さんはうまくいくと思っていたのに失敗したフランチャイズということですね。それは興味ありますね。
竹村:今まであまり話していませんでしたが、岩盤浴のフランチャイズに携わったことがあります。
林:では岩盤浴ブームが起こる前ですね。
岩盤浴のフランチャイズはなぜ成功しなかったのか?
竹村:そうです。岩盤浴は博多発祥のもので、博多には昔からありました。今から10年ほど前に、岩盤浴のフランチャイズビジネス化をしようとした社長がいらっしゃって、そのFC化を手伝ったわけです。これは私がベンチャー・リンクにいた頃の話です。
林:なるほど。今これほど流行っている岩盤浴なら成功しそうじゃないですか。
竹村:その岩盤浴をFCにして、まずは博多で流行らせてから、次々と他の地域にも作っていったわけです。15~20店舗ほどできて、かなり好調でした。そうしたら、やはりそのぐらいの時点で真似が出てきたんですね。その頃、岩盤浴に入ったことがある人は少ないので、検討しているオーナーを僕が岩盤浴に連れていって体験してもらう必要がありました。その為僕は当時、週に何回も岩盤浴に入っていたわけですが、健康診断の数字が一気に変わるほどの効果があって、「これはすごい」と感じました。
なぜそれほどの効果があったかというと、特別な石を使っていたからです。宮崎県の石で、これがまた高いんです。1ベッド80万円ぐらいするので、ベッドが10個並んでいたら800万円です。
林:それはとても高いですね。
竹村:高いですが、確実に効果があったわけです。ところが真似するところが出てきて、そのようなところが使うのは基本的には1つ5万円程度のただの石なのです。ベッド一つ分で80万と5万の違いは大きいでしょう。5万円の石が全く効果がないというわけでもなくて、石であれば温めることで遠赤外線というものが出て、それなりの効果はあるわけです。ブームに乗って、その安い石を使った岩盤浴が一気にできました。僕が作っていたFCでは設備をしっかりと整えて、本当に効果があるようにやっていましたが、ひどい店ではその5万円の石を並べて、あとは湿度と温度を上げて汗をかかせるだけでした。
林:「岩盤浴じゃないじゃん、サウナじゃん」ということですね。
竹村:そう、サウナに石を並べているというだけのものです。でもお客さんの方から見たら違いがわからないんですよね。ここがポイントで、これにはもう少し続きがあります。
林:それはひどい話ですね。では竹村さんが失敗したフランチャイズは岩盤浴ということで、その失敗の原因を次回もう少し詳しく教えてください。