フランチャイズの原点に立ち返ろう!
林:竹村さん、「フランチャイズは都会でやるべきか、田舎でやるべきか」という質問で、「もっとも利益を出したタリーズは宮崎だったことからも、田舎でやるべきだ」というお話でしたが、もう少し説明していただけますか。
竹村:フランチャイズビジネスを考える上では、本部の人も加盟者側も「田舎でやる方が有利」という考えを常にしっかり持っておいた方がいいと思います。本部としては、田舎でできないようなものをフランチャイズ展開しては駄目なのです。ところが地方から東京や大阪などの都会に出てくると、やはり人が多いからこれが流行っているのだろうと思ってしまうのですよね。この都会の地で流行っているビジネスを自分の住んでいる田舎に持っていったらどうだろうかと。
「自分のところの駅で下りた時には都会と違ってほとんど人がいないのに、ビジネスが成り立つだろうか」という思考になってしまうのですが、やはりそこでフランチャイズの意義や原点というものについてもう少し考えてほしいのです。「だからこそ、この地方でこのビジネスができたらどんなにいいだろうか」というところがフランチャイズの原点なんですよ。
林:素晴らしいビジネスモデルをその地に広めたいという考えですね。
竹村:この地方でやりたいという熱意です。
林:「東京にはあるけれどもここにはないものを、自分の力で広めたい」ということがフランチャイズの意義なのですね。
竹村:それがフランチャイズの原点の考え方ですからね。武田塾についても、「日本発の授業をしない塾」というものが、最初は東京にだけあったわけじゃないですか。それが札幌や福岡、人口10万人の伊勢へと広がっていきました。そのビジネスができることによってその地域が大きく変わっていくでしょう。これがフランチャイズが世の中で伸びる原点なのです。ですから加盟される側も、勿論商売である以上「儲かるだろうか」という視点があるのは自然ですが、「これを何とかこの地域で広めたい」という考えを是非持ってほしいです。そうすれば地方の方が経費も安く抑えられ、大きな利益が出るはずです。
林:僕としても、そういう方に加盟していただきたいですね。「この県にはまだ武田塾がないから、この県の受験生に逆転合格の方法を教えてあげたい、授業だけでは伸びない生徒を救ってあげたい、生徒の夢を叶えてあげたいんだ」という考えのオーナーさんだと嬉しいですよね。
竹村:はい。その考え方から始まると、フランチャイズというのはやはり成功しやすいですよね。「FCは都会でやるべきか田舎でやるべきか」という問いでは、それが一番言いたいところです。
フランチャイズを田舎で始める意味とは?
林:そうですね。それでも皆さん、都会で始めようと考えますよね。
竹村:それはやはり、都会の方が人が多いから確実だと思ってしまうせいでしょう。でも都会の方が競合も多いし。そうとは言えないんですね。
林:そうですよね。むしろ都会の方が生徒数が少なくて、地方の方がすごいことになっていますから。
竹村:武田塾を見ても、都会と田舎で単価はほとんど変わらないどころか、地方の方が高いぐらいでしょう。「地方はお金がないから」と皆さんは思い込みがちですが、そんなことは全然ないわけです。そういう意味でも、やはり僕は地方に住む方が「都会でやろうか、自分の地方でやろうか」と迷われていたら、やはり地方でやってほしいなと思います。
林:きっとフランチャイズの本部の方も全国で作りたいと考えているはずなので、そういう人の方が嬉しいだろうなと思います。