林:竹村さん。前回の続きをお願いします。
立地診断を鵜呑みにしないこと!
竹村:前回、立地診断はシミュレーションと紐付いているため、素晴らしいクロージングツールになると説明しました。営業マンは立地診断の結果を見せて、加盟者の想像をかき立てるだけで十分です。当然、本部がバックアップしてくれるものだと思い込みます。ですが、実情は悲惨な結果になります。この不一致はとりわけ飲食では致命的です。多くの飲食は開店すれば一時的な活気に包まれます。この状態をオープン景気といいますが、このオープン景気が全くないのであれば逆転は厳しいと言わざるを得ません。フランチャイズなので味の変更もできませんし、前提としてお客さんが来ないからです。おそらく本部は的を得ない言い訳を並べながら、ビラをまきましょう、A型看板を立てましょう、視認性をよくしましょうなどという対策を提案してくると思います。ただ、それは後手の対策なので画期的には改善しません。なので、質問者さんには申し訳ないのですが、現状を劇的に改善する方法はありません。本部に乗り込んでいくかどうかはお任せしますが、今までの立地診断はどうだったか、今回の立地診断がなぜ狂ったのか、復活した加盟店があるかなどをよく聞いて、今後に役立てていきましょう。視聴者の方へのアドバイスとしては、特に飲食、物販のような立地が肝となってくるフランチャイズの場合、本部が提示してくる立地診断は参考程度にとどめておきましょう。自ら調査を行い、予想を上回るケースが何%なのか、下回るケースが何%なのかを把握しましょう。
林:ほかのオーナーさんに聞いてみるのもいいと思います。
最終的に立地を決めるのは自分です!
竹村:立地診断自体が無茶苦茶ならばすでに非難轟々になっているはずです。コインランドリーも立地が8割ですが、コインランドリーを何店舗も出店している方は自分の勘に信頼をおいて投資しています。本部の立地診断を鵜呑みにはしません。逆にいえば立地診断が的確な本部は必ず成功します。僕は立地診断を極める方がフランチャイズ業界に出てきてもいいのではないかと思っています。正確に算出される立地診断を作ったら、それだけでビッグなビジネスになるはずです。