立地診断と結果が違う!

:竹村さん。「飲食店で本部の立地診断が全然違うんですけど」という相談です。

竹村:これはわりとありがちなケースです。特に飲食だと深刻な問題になります。

:好条件物件の案内みたいなものでしょうか?

立地診断は都合のいいクロージングツール?

竹村:立地診断は店前の通行量、駅の乗降客数、近隣店舗の集客具合などの要素をまとめた参考資料で、おおよその売り上げを予想することができます。立地診断を用いて物件を提案するフランチャイズは多く、功を奏した場合はA、順当ではB、最悪であってもCと、3パターンの結果を用意するフランチャイズもあります。今回のご質問者さんはおそらくCの結果にも到達しなかったのでしょう。ここで1つ覚えておいてほしいのは、立地診断にはフランチャイズ加盟における構造的な問題があるということです。立地診断は事業シミュレーションと紐付いています。なので、立地診断によって事業シミュレーションが個別に出来上がる仕組みになっています。数値化されると一見もっともらしく見えるので、フランチャイズ側からすると都合のいいクロージングツールなのです。

:確かに見立ての悪い立地では加盟しません。

立地診断は加盟開発の中に組み込まれている!

竹村:良心的なフランチャイズもあると思います。ただそうでない場合、本部側が契約を急いで脚色してしまうことも珍しくありません。その数値の下には、これは保証するものではありません、と小さい字で書いてあります。だから僕は「武田塾」では立地診断を行っていません。物件は視察に行きますが林さんが点数をつけるだけで、あとはオーナーさんの自己判断に任せています。こちらは生徒が48人、あちらは生徒が72人などは保証できないからです。立地診断は構造的にフランチャイズの加盟開発の中に組み込まれているということを認識として覚えておいてほしいと思います。次回に続きます。